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秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルしてくれるサービスは?

秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルしてくれるサービスは?
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毎日職場で山のように出るシュレッダーされた秘密文書。

ごみ当番が回ってくると、サンタクロース状態で、大きなビニル袋を肩に担いでごみ収集場所に運びます。

A4一枚の隅っこに個人名や番号があるだけで、すぐにシュレッダー行き。毎日何袋もいっぱいになるこの紙屑が、もし、情報が漏れることなく安全にリサイクルできるとしたら、自然環境にどんなにいいだろうと、いつも思っていました。

秘密文書の多くは上質のコンピューター用紙で、古紙の中でも群を抜いて資源価値が高いことが特徴です。

その上質な紙をリサイクルする仕組みを構築し、すでに実践している自治体や企業があります。

 

Contents

秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルしてくれるサービスは?

秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルしてくれるサービスは?

秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルする方法はいろいろ種類があるので、それについて一つずつみていきましょう!

 

広島市の秘密文書リサイクルシステム

秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルしてくれるサービスは?

平成7年から、まず市役所で始まり、平成8年から他の役場、学校、一般企業に広げました。

まず、広島市直属の回収業者が、鍵付きトラックで企業に回り、固く梱包された秘密文書を回収します。

集荷センターを経て、製紙メーカーへ送られますが、その際も開梱されることは無く、警備体制も万全です。

製紙メーカー(兵庫県)に着くと、梱包段ボールのまますぐに炉で溶かされます。溶かすので、紙屑、紙片すら残ることは有りません。

この紙は「HIROSHIMA紙」というトイレットペーパーになって、回収に参加した企業や役所、学校に戻っていきます。一般では販売していません。

この事業に参画している企業がおよそ100社で、現在でも少しずつ増えているそうです。

 

ヤマトグループ機密文書リサイクルサービス

機密文書の量に合わせて箱が用意されます。

〇A4用紙が5000枚入箱(44×32×28cm)        1,890円/1箱

〇A4用紙が3800枚入箱(40×30×24cm)        16000円/10箱

箱のまま100%完全溶解処理をするので、情報漏洩の心配はありません。

溶解した紙繊維は製紙原料へ完全リサイクルで、環境にやさしいシステムです。

終わると、溶解完了証明書が発行されます。

溶解処理は機密文書処理工場で行われます。

セキュリティー①関係者以外立ち入れないセキュリティーゲートを通ります。

セキュリティー②入退室管理システム(関係者のみ開閉可能)

セキュリティー⓷常時モニタリング(24時間365日)

↓溶解エリアへ

回収した段ボール(機密文書)が全量あるか立会人のもと確認されます。

未開封のまま、水を張った大型ミキサーで溶解します。

溶解には主に水を使用するので環境にもやさしい方法ですね。

いくつもの工程を経てリサイクル。

パッケージや段ボールに生まれ変わるのです。

これらは、全国どこでも均一のサービスを受けることができます。

さらに書類を電子化して保管する電子化オプションもあります。

電子化すると、書類を探す時間と保管するスペースを省くことができ、情報共有もスムーズになりますし、仕事効率化につながります。

紙の情報より編集も共有も簡単。

秘密文書に限らず、会議の案件や提出書類も早くオール電子化になるといいですね。

 

SAGAWA機密文書リサイクル便

秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルしてくれるサービスは?

利用できるのは法人のみ。個人からは回収しません。

まず、スマートクラブに登録し、IDを取得しましょう。

次に、機密文書専用箱を購入します。

購入した箱の中に機密文書を入れます。(ホッチキス、クリップでとめたままでもよいのですが、CD-ROMなどは必ず取り出してくださいね。)

箱がいっぱいになったら、専用の送り状と「封印」シールを貼りましょう。

連絡すると、セールスドライバーが集荷に来てくれます。機密性を確保したまま工場へ運びます。

工場で機密文書専用箱ごと溶解処理します。

溶解処理後は、スマートクラブのサイト内で溶解処理証明書を発行することができます。

月次証明書の場合…溶解処理後1年間

日次(個別)の場合…溶解処理後60日間

  • A3対応機密文書専用箱(34×45×28cm)404円/1枚 運賃1562円
  • A4対応機密文書専用箱(25×34×28cm)344円/1枚 運賃1309円

大量の段ボールの一括処理(チャーターサービス)や機密文書の保管についても、いろいろ相談にのってくれますよ。

 

京都市秘密書類リサイクル

秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルしてくれるサービスは?

京都市でも、広島市同様機密文書リサイクルに取り組んでいます。

機密文書を含んだ書類を段ボールに詰めたまま開封せずに製紙会社へ搬送します。

トラックからベルトコンベアに箱ごと投入します。

溶解槽(パルパー)で溶かされ、段ボール板紙に再生されます。

このリサイクルは1997年に始まり、参加団体は140を越えました。

京都市のごみに含まれる紙の割合

  1. 2011年56.3%
  2. 2017年49.4%
  3. 2019年16.4%(ごみの中の資源化可能なもの)と年々減少しており、市民の「紙は資源」の意識が高まっていることがうかがえます。

そして、「京都市ごみ減量推進会議」でごみを減らす活動に取り組んでいます。

 

大塚商会メルティボックス2

秘密文書・書類を溶解処理がひと箱1800円でできます。

登録料・固定費も不要で、シュレッダーを設けるよりも低コストと評判です。

バインダーやクリップもそのままで大丈夫です。

申し込みをすると、手元に利用手順書、回収依頼用紙、バーコードシールが届きます。

処理する箱に、届いたバーコードシールを貼り付けます。

回収してほしい箱の数、希望の日を回収依頼用紙に記入してFAXします。

機密書類の入ったダンボールが回収されます。

1箱から回収可能です。

引き取られたダンボールは開けられることなく、溶解処理されます。

溶解処理後、機密抹消の証明書が発行されます。

多く利用しているのは、法律事務所、会計事務所、病院、診療所、介護施設、協会、組合、情報処理、学校…だそうです。

 

DEL F(デルエフ)

「デルエフデリートシステム」といって、絶対的な機密保護実現に向け、独自のノウハウをフルに活用したシステムで処理を行っています。

他の処理工場に運搬することなく、自社の処理工場内の徹底した管理体制で、機密文書や重要書類を安全に廃棄処理しています。

機密文書を処理するにあたっての責任はとても大きなものであると考え、その取扱いについて徹底的に研究、分析し、自社内完結型の機密文書処理施設を開設したのだそうです。

処理の様子をホームページで見ることができます。

昭和29年、デルエフの機密文書の廃棄処理が始まりました。

官公庁を含む多くの企業は「廃棄文書は古紙」、と思われて取引されていました。

しかし、この会社はいち早く「廃棄文書は情報」と考え、情報消去技術の研究開発を始めたそうです。

情報漏洩がなぜ起こるのか、その原因を徹底的に分析し、その成果をもとに平成3年10月にハード、ソフト両面での機密保護の安全対策を兼ね備えた国内初の機密文書専門処理工場を茨城県内に開設しました。

デルエフさんの秘密文書取り扱いに対する真摯な姿勢に感動します。

 

まとめ

秘密文書をシュレッダーにかけずにリサイクルしてくれるサービスは?

上質なパソコン用印刷用紙に日々刷られて出てくる機密文書。

紙媒体を使用しないで、なるべくnet画面上で会議などの提案がなされるようになりましたが、まだまだ紙面でのやり取りや確認が欠かせない状況ですよね。

読んで見届けて用を終え、紙としてまだきれいなら、是非またリサイクルされ、生まれ変わって欲しいものです。

限りある資源。

わたしたちのほんのひと手間で、どれだけの自然が救えるか分かりません。

これからは、秘密文書も積極的にリサイクルに回し、一人ひとり、わたしたちも自然の中の一部なんだという意識をもって、環境に配慮した生活を送りたいですね。