秋風が木枯らしに変わるころになると、温かいものが食べたくなりませんか?
ちょっと冷たくなった指先を擦りあわせながらスーパーに入ると、瀬戸内育ちのわたしは、お魚売り場へ。そこで、プリリとした牡蠣の身を見つけると、思わず手を伸ばします。
待望の牡蠣の季節がやってきました。
みなさんのお近くでも、もう牡蠣が出回り始めましたか?
牡蠣のうちでも広島県産は全国総生産量の65%を占めますので、手にとられた方も多いかと思います。
でも、広島牡蠣は生産量が多いため、加工品や冷凍食品にされることも多く、ご家庭で「広島牡蠣」というブランドを味わう機会が少なくなってしまっているのでは?
地元で幼いころから広島の美味しい牡蠣を食べて育ってきたわたしは、全国の皆さんにも是非、ご家庭でぷりぷりの広島牡蠣を召し上がっていただきたい。そう思い、ここに広島の牡蠣屋さんを紹介したいと思います。
店頭に並んだ時、この牡蠣屋さんの牡蠣を選んでください。
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広島の牡蠣をお取り寄せするのにオススメのお店は?

かなわ水産株式会社
広島県江田島市大柿町に会社があります。
養殖、加工、販売まで、すべて自社一貫で行っています。
昭和22年には、日本橋高島屋に直営店を出しているので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
生牡蠣が自慢のかなわ水産では、下に著した「生食用かき指定水域」の中でもさらに基準の高い沖合の無人島、大黒神島の沖でしか養殖しないというこだわりようです。
周りに川がないから、海水塩分濃度が高く3.1%以上。(東京湾岸は2.8%, 伊勢湾岸は2.17%)小ぶりではありますがそのため身がしまって旨味に富み、加熱しても身が縮まないという特徴があります。
かなわのかきはきれいに洗ってパックしてあるので洗わないで調理できます。
生食の場合は冷えたレモン、ポン酢で食べると最高!
生食用かきで安全が確保されているので天ぷらにして、かきの中心が半生でも大丈夫です。
かなわ水産株式会社の牡蠣をお取り寄せしてみた感想
広島に行ったら必ず牡蠣船で食べるし、取り寄せもここと決めています。
ぷるぷるの牡蠣をパクリ。
「ん~おいひい!」
クニヒロ株式会社
広島県尾道市東尾道にあります。
尾道はラーメンだけじゃない!
こちらは、加工海産物の大手で、広島牡蠣の指定海域制度に加えて、生産者までが特定できるトレーサビリティも実践しています。
牡蠣は、生のまま内蔵も食べるので、クニヒロでは「品質管理室」を設置しし、原料の受入検査や製品の抜取検査を毎日行っているそうです。
新製法によって獲れ立て牡蠣を殻むきし、瞬間冷凍して販売。
「冷凍なのに生食可能」で話題になりました。
広島県産の牡蠣が全国の牡蠣出荷量の6割を占めていますが、むき身でいうと、そのうちの4割をクニヒロの牡蠣です。
しかし、「効率よりも品質を優先」というクニヒロの商品づくりのコンセプトで、出荷量が国内1位になった今でも、商品の選別はすべて熟練した職人さんが手作業であたっているそうです。
機械まかせにせず、一つひとつの商品を人の目でチェックしています。
クニヒロ株式会社の牡蠣をお取り寄せしてみた感想
県外でもご存じの方が多いかも知れませんね。
大量に料理する際利用するのですが、社のポリシーなどを読んでから、すごい会社だなと思うようになり、より味わっていただきました。
たくさん入っていますが、どれも粒よりで大きくてきれい。
ころころと1個ずつ冷凍されているので、必要な分だけ取り出して食べることができます。
我が家では、お正月の朝はいつも牡蠣のお雑煮でした。
昆布と瀬戸内のいりこでとった澄んだ出汁に、牡蠣、小松菜(三つ葉のこともあった)、人参、里芋、そしててっぺんにはきざんだ柚子の皮がのっかっていました。
牡蠣のお雑煮は、時々食べたくなるので、お正月のみならずお餅をついたら必ず作ります。
野菜は、その季節に採れる物なんでもいいのです。
クニヒロ水産さんのおかげで、年中牡蠣を楽しませていただいています。
これ食べたさに、オリーブオイルは常備するようになりました。
こんなところでたいていこの大袋の牡蠣は消費しきってしまうのですが、もしまだ余っていたら、牡蠣のグラタンを作ります。
本当においしいです。
加熱しても縮みません。
有限会社沖野水産
広島県廿日市市宮島町にあります。
ほら、あの、表参道商店街にある焼き牡蠣のお店です。
世界文化遺産の厳島(宮島)に残る1万年以上前からの原生林によって、島沿岸には、ミネラルたっぷりの水が流れ込みます。
その水が海流とぶつかって、絶妙な海域で「宮島牡蠣」が育ちます。
いけすから直接消費者に届ける産直システム。
産地はもちろん定期的に検査を受ける「指定海域」。
「貝毒対策実施要項」に基づいて厳しいチェックを受けています。
宮島の表参道商店街で食べたよ、という方も多いかも知れませんね。
有限会社沖野水産の牡蠣をお取り寄せしてみた感想
臭みが無く、定番の「生牡蠣にレモン」さえも、必要無いくらいです。
県外に住む知人はここの牡蠣を食べて、牡蠣嫌いを克服したと言っていました。
宮島で食べたあの味を、自宅で味わっています。
年に一度は取り寄せています。
島田水産
こちらは宮島口にあります。
牡蠣の種付けから、養殖、出荷まで自社一貫で行っています。
瀬戸内海特有の穏やかな海と、中国山地から流れる栄養豊富な水とで育てられています。
日本三景安芸の宮島厳島神社の海に立つ大鳥居の周りの干潟の岩に付着した天然の牡蠣を採取し、親牡蠣にしています。
「安芸の一粒」という新ブランドです。
「安芸の一粒」の中でも、さらに優秀なものを選び、約6か月で出荷。
「厳蠣(げんき)」という名前で出回ります。
11月の厳蠣(げんき)はまだ30g程度ですが、まだ産卵を経験していないバージンオイスターはとてもミルキーで、ひと月ひと月、成長とともに味わいも成熟していくそうです。
実際この「厳蠣」、どんどん成熟していき、どの時期に食べても味が違い、どの時期でも美味しいのです。
この牡蠣を目当てで来店するリピーターもたくさんいます。
島田水産の牡蠣をお取り寄せしてみた感想
リピーターがいること、納得です。
その中でもさらに優秀な牡蠣。
これか…と味わいながらゆっくり食べました。
味も澄んでいるような気がします。
牡蠣初心者さんやお子さんにも、是非食べてみてもらいたいですね。
まとめ

広島県では、牡蠣の生産において、県独自の厳しい検査基準を設けています。
食品衛生法による「生食用かき」の規格を遵守するために、特別に、「生食用かき指定水域」というのを設けているのです。
また、水揚げされたら洗浄、さらにその後広島牡蠣は,専用プールでじっくり1日かけて浄化されます。
これにより、特有のえぐみが解消され、本来の旨味が引き出されます。
広島県では、この浄化をしなければ「生食用」のむき身にできないという条例を施行し、県全体で、広島牡蠣の品質安定に取り組んでいます。
広島生まれのわたしは、牡蠣が大好き。
幼いころから、カキフライ、かき飯、かきの土手鍋、お節にも牡蠣が入りましたし、もちろんお雑煮にも。お祝いの席、日常の料理に冬場の食卓を彩ってくれていました。
その牡蠣が、こんなに厳しい管理のもとに生育していたとは知りませんでした。広島県が、生産量で日本一なのは知っていましたが、県を挙げてこれほどに熱心に取り組んでいたなんて。
牡蠣が大好き、であるとともに誇りに思います。
自信をもってお薦めします。
今まであまり家庭で牡蠣を食べなかったという方にも、安全で、美味しくて栄養豊富な広島の牡蠣を是非味わっていただきたいと思っています。