ご家庭では、お子さんにお手伝いをさせていますか?
小さい頃は喜んで手伝っていたのに、小学校中学年くらいになると、遊びの幅が広がり、塾やおけいこの時間などもあり、なかなか手伝わなくなっていませんか。
子供が家事を手伝うと、家で家事を担う大人は助かる、それに、てきぱきと人のために働く子供は、学校でもきっと好まれ、社会に出ても役に立つに違いないですよね。
でも、子供達のスケジュールや「え~?」なんていう嫌な反応、大人がやったほうが結局早くてきれい…などの理由から、お手伝いをあまりさせないままに過ごしているというご家庭も多いのではないでしょうか。
ここでは、年齢に応じた子供のお手伝いの例と、それらがどんな役に立つのか、考えてみたいと思います。
Contents
子供が家族のためにできるオススメのお手伝いを年齢別に紹介!

未就学の子供にできるお手伝い
料理研究家の中には、2歳ですでに踏み台に乗って料理をしていたなんていうすごい方もおられますね。
それは稀な例ですが、平均的なお子さんでも、2歳になると大人の真似をして、何か手伝いたいと思うようです。
1~2歳にオススメのお手伝いは?
①物を取ってきて大人に渡す。
②おもちゃをかたづける。
⓷テーブルをふく。
④ごみをごみ箱に入れる。
⑤箸、スプーンを並べる。
⑥食器を運ぶ。
どれもゆっくりと落ち着いて、素材や状況を選んで、大人が見ていなければなりません。
「ありがとう。」
「助かるよ。」
とほめると、とても喜びます。
この時期から役にたつことの喜び、成功体験を積んでください。
3歳にオススメのお手伝いは?
①タオルやハンカチなどをたたみ、決まった場所にしまう。
②食材を混ぜる、ちぎる、熱くない料理をよそう。
⓷米をとぐ。
4歳におススメのお手伝いは?
①はきものをそろえる、玄関そうじ。
自分の脱いだ靴を整えるという礼儀にもつながり、家の顔である玄関をきれいに保つ習慣をつけます。
②卵を割る。
危なくはありませんが、力加減が難しく高度なお手伝い。
「生卵を割る」ことができると、自信がつきます。
5歳にオススメのお手伝いは?
①お風呂そうじ。
②料理をつぎわける。
量を考え、こぼさないように、具材が均一に入るようにします。
できるようになっておくと、保育園、小学校など当番の時に役立ちます。
小学生の子供にできるお手伝い
低学年にオススメのお手伝いは?
①野菜を洗う。
②野菜を切る。
いよいよ包丁を使わせます。大人が見ているところでさせましょう。
人参は固くて転がるので要注意。
具材を支える方の手は猫の手(指先を丸めて)で。
子供専用の包丁なら、もう少し早くからできるかもしれません。
⓷ごみ出し。
④そうじ。掃く、拭く。
⑤洗濯物を取り入れる、たたむ。
⑥上履きを洗う。(初めは大人が見本を見せ、これがきれいに洗えた状態の上履きというのを覚えさせましょう。)
中学年にオススメのお手伝いは?
①火を使う料理。
料理行程の加熱の部分をさせる。
具材に火が通る様子、野菜が柔らかくなる、肉が安全に食べられるようになるまでの時間や火加減を知らせる。
②ごみを分別する。
⓷食器洗い。食洗器なら、その操作、よく洗える並べ方、洗った後の片づけ。
食洗器に入れられない食器も教えておきましょう。
④洗濯物の取り入れ、たたみ、しまう。
収納場所や片付ける順番なども伝える。
引き出しにラベリングする。
ラベルを貼るなんて…と面倒がらず。
そのひと手間で、子供が迷わず衣類を収納してくれ、後で入れ直す手間が省けます。
⑤ふとん、ベッドを整える。
高学年にオススメのお手伝いは?
①料理
小学校の家庭科の授業で、料理を習います。
調理は、子供たちにとって、楽しい学習のひとつです。
安全と衛生に気を付けて、楽しく調理をはじめさせよう。
特に安全については、もちろん親が整えてやるのですが、子どもだけの時にも習慣化できるように、必ず確認するところから教えます。
ガスコンロの場合、周囲に燃えやすいものを置いてないか、換気しているか、使用後に器具栓を閉めているか。
IHクッキングヒーターの場合、トッププレートに鍋やフライパンなどの用具以外のものを置いてないか、使用後に電源を切っているかなどを確認させます。
少し温かいトッププレートを触らせて、高温の際はさらに熱くなり、大変危険であることを教える。(掌の皮も剥げてしまいます)
使える鍋などの形状や材質がガスこんろの場合と異なることにも触れる。
年中多用するじゃがいもの芽や緑化した部分には、食中毒を起こすソラニンという成分が含まれているので、必ず取り除くこと。
保存する場合は、日光に当たらないようにすること。
炊飯、野菜炒めやゆで卵など家庭科で習った料理をさせる。
米をこぼさないように丁寧に洗わせ、炊飯器の使い方、ちょうどよい水分量を教える。
チャーハンや丼物、味噌汁など、休日の昼食になるようなメニューを下処理から盛り付けまでひとりでできるようにする。
味噌汁は、煮干しや昆布、かつお節などでだしからとらせる方法、顆粒のだし、または味噌にすでにだしが含まれているものを使うなどいろいろ教えておくと、時間にゆとりがあるなしで応用が利くようになる。
ご飯と味噌汁は各家庭の基本の料理であり、これさえできればあとは具材や調味料を変えていろんな料理に発展できるため、親も子供自身もこれからの生活に役に立つこと間違いなし。
食器を洗う際には、油汚れをあまり布や古紙などで拭き取ってからすると下水に流す水の汚れを軽減できるなど、環境についても親子で話したい。
②ごみ分別。リサイクル。
新聞紙や再利用できる紙、びん、缶、布を分けたりまとめたりする。
⓷掃除機を使う。
掃除機をかけ始める前に床にある物を片付けること、コードを出し過ぎないこと、じゅうたんや畳、フローリングなど床の材質ごとに吸い取り易さが異なることなど、細かいことも伝えておきたい。
できるようになったら、本体を開けて中のごみを取り出す、物によっては紙パックの装着の方法も教えよう。
高学年ならできます。
④洗濯機の操作。洗濯して干す、取り込んでたたみ、収納までさせましょう。
色柄物や素材で分ける、衿や袖口の下洗い、洗濯機で洗えない衣類なども教えておく。
大きい物から干す、下着を干す場所、干す前に伸ばす、たたくなど親子でやってみよう。
まとめ

このように、年齢、発達段階によって、できるお手伝いもいろいろあります。
が、もちろんお子さんの実態に合わせて、他の子供達と比べることなくできることをできる範囲でさせてください。
大切なのは継続、そしてやりきらせることです。
お手伝いが子供にも大人にも良いことは分かりますが、肝心の「子供のやる気」はどうでしょうか。
もし、お手伝いの習慣を付け損ねたまま小学生になってしまった、途中から手伝うようになるだろうかとお考えの方がおられたら、チャンスは長めの休暇です。
できれば夏休み、冬休み、または、三連休などでも構いません。
親子とも少し時間のゆとりのある時になら、親がついて教えることができます。
あとは、ほめて感謝して、子供のモチベーションを保ちましょう。
初めのうちは失敗したり、親の思うようにことが進まなかったりするかもしれません。
でも、大人がやった方が早いからと、子供に何もさせないでおくと、大人の家事負担は一向に減らぬまま、また、子供は大事な時期に恰好の人生経験を逃してしまいます。
さあここで、大人が深呼吸。
気を長く持って、家族のため子供のために「もう一つの学力」をつける機会をもちませんか。