子どもには、のびのびと育って欲しい。
心の優しい子どもになって欲しい。
友だちと仲良くできる子どもに…。
親として子供に対する願いの中に、率直に「勉強ができる子どもにしたい」と言う方は少ないですが、欲を言うとやはり、ある程度は、勉強ができるようになってもらいたい。
せめて、クラスの中の真ん中辺りの成績はとって欲しい…と思う方がほとんどではないでしょうか。
家庭に笑顔があふれるようにするためには、子どもが言うことをきかない、親がイライラしたり、険悪なムードになるなどということは避けたいですね。
子どもへの望みの中に「勉強」を挙げる親は少ないけれど、実際に生活していて、親の悩みの種の多くは「勉強」に関わることだったりします。
自分から進んで勉強する子どもの親は何をしてきたのか、例を挙げてみました。
Contents
親が子供に勉強を教えるオススメの方法4選を紹介

①勉強しやすい環境を与える
これは、何も子ども一人ずつに、学習机の備わった個室を、と言っているわけではありません。
昔、おじいさんが、「小さい頃はりんご箱で勉強したもんだ」と、今の子どもの学習机や立派な勉強部屋を見て言ったものですが、部屋が与えられたからといって、即やる気に繋がるというほど、簡単にはいきません。
子どもにもいろいろな性格があります。
もし、親に話しかけたり、家事をしている親の様子でも傍に感じられる方が安心するような子どもなら、リビングで勉強した方が良いでしょう。
音読を聞いてあげたり、時々、書いている字を見てあげたりしてください。
反対に、一人静かな場所にいる方が落ち着くという子どもには、個室が向いています。
個室が無理なら、パーテーションを置いたり、簡易カーテンで兄弟などと分けたりしてください。
放置しない
いずれにしても、子どもに勉強の場を設定したら、それで安心するのではなく、勉強しやすい状態が保たれているか確認しましょう。
リビングなら、周りを整えて、興味が向いてしまいそうな漫画、ゲームをしまうのはもちろん、リモコンや雑誌、食べ物なども片付けましょう。
個室も、与えて閉め切ってしまってはいけません。
片付いているか、勉強しやすい状態か見てやりましょう。
リビング、子ども部屋、どちらにしても、テレビや家族の会話などは音量を下げて気が散らないように協力しましょう。
子どもの勉強を、家族の生活のサイクルのひとつとして、受け入れましょう。
勉強は子どものこと、大人は働いて疲れているんだから、こちらはこちらで楽しみます、というのでは、小さいお子さんには酷ですね。
家族で見守っているよという、協力的な態度で回りを固めてあげてください。
また、そのためにも、大人が見てやりやすいような場所であることも大切です。
家事をしながら、目が届くように、あまり遠くない位置に、個室でも締め切ることのないようにしましょう。
②ほめる。(自己肯定感をもたせる)

大人でもそうですが、ほめられるのは嬉しいものです。
自分のやっていることを認めてもらえることは、何よりのモチベーションアップにつながります。
勉強している子どもの様子を見たときに、なんでもいいので良いところを見つけて、ほめましょう。
例えば、姿勢、鉛筆の持ち方、文字(具体的に、この字のここがいいとまで言う)、解けた問題、先生からもらった〇などです。
「あまりほめるところが見つからないなあ」ではなく、日頃から子どもの様子をよく見ていると、少しでも良いところが見つかります。
大人の理想に照らし合わせてはいけません。
「この字見て。きれいに書けたでしょ。」などと聞いてくることがあります。
大人から見ると、たいした字ではなくても、しっかりほめましょう。
ライバルは過去の自分
大事なのは、その子の以前の状態と比べることです。
絶対評価です。
間違っても、兄弟姉妹、自分の子どものころ、または、友達と比べてはいけません。
ノートをめくって、「ほら、4月より、ずっときれいに書けるようになったね」というふうにほめましょう。
すると、子どもも、自分の言動や記録を振り返るようになり、自分のすることに集中し丁寧に事を行うようになります。
周りの友達や兄弟姉妹と比べて、人を蔑んだり、反対に劣等感を抱いたりすることもなくなるでしょう。
⓷新しいことへの挑戦を応援する

芸術、野外活動、習い事、子ども会…。
子どもが興味を示したものを体験させてみましょう。
なんだろう、やってみたいと興味津々の子ども。
そこには必ず新しい出会いがあります。
知らないことや知らない人、それによって子どもは新しいことを吸収し、試行錯誤し、時にはうまくいかなくて挫折してしまうかも知れません。
その時には、親が味方になってやりましょう。
子どもによっては、現在の環境から出たくない、あるいは人見知りという場合もあるかも知れません。
初めて会った人に対して必要以上に警戒して、親の後ろに隠れてしまうような子どももいますね。
そんな子どもには、親が付き添ってやりましょう。
時には親子で
親子で参加できるイベントはたくさんあります。
料理教室や自然探訪、宿泊体験…親子で参加し、慣れてきたら子どもだけの催し物に参加させてみましょう。
見識が広がり、自分の殻から抜け出すことができます。
判断の基準が自分だけのものから様々な観点から出されるようになります。
学校以外にも自分の世界があると、話題ができ、自信がつき、学校で何か困難にあった時の解決法を模索することも容易になります。
④勉強を嫌いにさせない。
それは当然、誰だってそう願っているでしょう。
でも、勉強は遊びと違って難しいし根気が要るから、嫌いになるのが当たり前と片付けていませんか。
もしかしたら親の一言で、勉強してほしいと願っている親自身が、勉強を「敵」に回しているかも知れませんよ。
例えば、楽しく遊んでいるのを止めさせて勉強させる。
子どもにとって遊びは生活の一部です。
それを取り上げられるということは、大人にとっての衣食住に制限がかかるのと同じくらいのストレスでしょう。
小さな子どもに必要な勉強、いわゆる、テキストやプリントを使った、机についての勉強は、ほんの10~20分、プリント2~3枚のものです。
そんな簡単なことですから、これをしてから遊ぼう、と決めてしまえばいいのです。
たった10分余りの勉強はすぐに片付けて、また遊ぶことができます。
それも、生活のリズムに組み込んでしまい、勉強を手洗いや歯磨きと同じように扱いましょう。
生活の一部に
いわゆる「ルーティーン」ですね。
手洗いも歯磨きも、本来面倒といえば面倒な作業です。
しかし、小さいころから清潔な暮らしの中で生きてきた大半の日本人にとっては、やって当たり前、やらないと気持ち悪いという人がほとんどでしょう。
勉強もそれと同じように生活に組み入れ、馴染ませ、同化させてしまいましょう。
たった10分余り、簡単なことです。
だけど、習慣化するまで継続させるには、親の支えが必須と言えます。
親が忙しい時も、来客があっても、疲れていても、もちろん盆正月もです。
お盆だって、歯は磨きますよね。
また、勉強を嫌いにさせないために有効なのは、生活の中でも、子どもの好きな「遊び」の延長線上に勉強を置いてしまうことです。
というより、もともと小さな子どもにとって新しいことを知るという学びは、遊びとの境界線などありませんから。
本を読んだり、いろはかるたや百人一首をしたり、クイズやパズルも、今は大人も一緒に楽しめるものがたくさん出回っています。
知識が増える楽しみ、褒められる喜びを、遊びからも得ることができるでしょう。
まとめ

小学校学習指導要領では、変化の激しい社会の中でも自分の将来を自分で切り開いて自分の個性を生かしながら社会に対応していく「生きる力」が重要であると謳われています。
「生きる力」すなわち「主体的」に生きていくことです。
ここでは勉強を取り上げましたが、何も勉強に限ったことではありません。
子どもの親なら誰でも、わが子の幸せを願わない者はいないでしょう。
親がそばにいなくても、どんな困難に遭遇しても、これまで経験したり学んだりしたことを使って、想像力を駆使して、新しい道を進んでいって欲しい。
与えられたことのみを消化し、黙々と作業するのではなく、自分から進んで考え、自立して生きて欲しいですよね。
そのために、今、頑張りましょう。
子どもじゃない、わたしたち親がです。
ただ願うだけではなく、今この子に何をさせるのが良いのか、そのために親として自分に何ができるのか、何をしなければならないのか、考え、実行しましょう。
まず、親自身が、自ら進んで立ち上がり、行動するのです。
簡単なことを、根気強く継続するのです。
子どもと一緒に、一歩一歩成長し続けましょう。