お子さんは本が好きですか。
子どもには是非読書好きになってもらったい、そう思っている親御さんは
多いと思います。
だって、読書は子どものみならず大人にとってもとても価値のあることだとみんな知っているからです。
そのあたりのことは、別の記事「子供を読書好きにするために親ができる4つのこと」に書いているので、そちらも読んでみてくださいね。
ここでは、長年読み聞かせをしてきたわたしが、多くの子ども達が特に喜んだり、繰り返し読んでと子ども達からせがまれたりした本を紹介します。
これから絵本を買うとき、借りるときの参考にしてください。
Contents
子どもが好きな絵本ランキングベスト10をご紹介!

1位:チョコレートができるまで
子どもはみんなチョコレートが大好き。
だから、表紙を見せた途端に、写真のおいしそうなチョコレートに目は釘付け。
チョコレートの産地で有名な、西アフリカのガーナ共和国にあるカカオ農園からお話が始まります。
チョコレートとは思えない緑のカカオの実、これを熟し発酵させて種を取り出す。
固い固い種を炒って、皮を剥いて、カカオバターと砂糖を混ぜる。
子ども達は、自分の知っているあのなめらかな茶色のかたまりにいつなるんだろうとわくわくしながら絵本を見守ります。
「カカオマス」「テンパリング」と、お菓子作りの好きな子なら聞いたことのある言葉も、あざやかな写真と分かりやすい口語文で、ああこういうことだったのかとしっかり納得できたようだ。
チョコレートって、種だったんだね。
チョコレート作るのたいへ~ん。
あ~チョコレート食べたくなった。
読み終わった後、子ども達は社会見学を終えた後みたいに知識を得た充足感いっぱいの顔をしています。
「すがたをかえる たべものしゃしんえほん」の中の1冊です。
このシリーズは全部で10巻あり、他の9巻は、とうふ・みそ・かまぼこ・チーズ・パン・しょうゆ・お茶・ソーセージ・こんにゃくになります。
もちろん1番人気は、この「チョコレートができるまで」。
知識が得られるけれど堅苦しさがないのは、大きなきれいな写真と、本文の語りかけるような話し言葉のせいでしょうか。
チョコレートができるまでを実際に読んでみた感想
チョコレートが好きな子ども達の気を引こうと思って借りました。
でも、すぐに自分の好奇心がくすぐられ、熱中しました。
読んでいて楽しい。
分かったこと、自慢したくなる。
写真で分かりやすい。
個人的には、大企業のオートメーションじゃない、手作り感満載の小さなお洒落なチョコレート屋さんが舞台というところもとても気に入っています。
チョコレートができるまでを読んでみた人の口コミ
カカオでできているときいたことはあるけど、どうやって作られるのか見たことなかったので借りてみました。
すごくめんどうな作業をいっぱいしてから、やっとあのチョコレートになることが分かりました。
チョコを作るのって大変って分かったから、今度から、もっと大事にチョコレートを食べようと思いました。チョコがもっと好きになったよ。
2位:てぶくろをかいに
かわいい子ぎつねが、街へ手袋を買いに行く、新美南吉さんの有名な童話ですね。
雪も、冬の寒さも、街の明かりも人間も、何もかも初めての子ぎつねにとって、すべてが興味津々。
何も怖い物なんてありません。
白銀を照らす朝の光のあまりの眩しさに、目に何か刺さったと勘違いしてしまう。
もみの枝からなだれ落ちた雪に驚いて逃げる。
雪遊びをした後、
「おかあちゃん、おててが冷たい、おててがちんちんする。」
といって、母ぎつねに手を温めてもらう。
そして、あろうことか、人間の手袋屋の主人に、きつねの手の方を差し出してしまう。
子ども達は、そんな子ぎつねを「かわいい」と言いながら、自分と似たところを見つけて同化してしまっているのです。
母ぎつねに替えてもらった人間の手じゃなく、きつねの手を出してしまう場面。
「あ~、そっちじゃないよ」
と声を出す子ども達。
てぶくろをかいにを実際に読んでみた感想
かわいい子ぎつねに会いたくて、毎年冬になると読みます。
読み聞かせをしながら、子ぎつねになって冒険しているかわいい子どもらの顔を見て、わたしたち大人は、帽子屋の主人が、きつねと気づきながらも手袋を売ってやったところで、人間の代表が彼で良かったと安堵するのです。
てぶくろをかいにを読んでみた人の口コミ
つかまえられるんじゃないかと思った。
3位:さんまいのおふだ
これは、昔話の中でもわたしが好きなお話です。
子ども達にも人気があります。
和尚様の言うことを聞かないで山の奥まで行って迷子になった小僧さん。
山奥に迷い込んだ主人公がやまんばに追いかけられるお話はたくさんありますが、さんまいのおふだがダントツ人気の1冊です。
理由は、主人公が子どもだから。
3回のチャンスがあるから。
最後に和尚様がやまんばを退治してくれるから。
だそうです。
さんまいのおふだを実際に読んでみた感想
なんといっても、スリルがありますね。
急いで、急いでと応援する子ども達。
やっとたどり着いたお寺で、和尚様がなかなか開けてくださらなくてじらされて、それでもやまんばをやっつけてくれてほっとする。
何度も読んでいて結末は分かっているのに、やっぱり子どもたちといっしょにどこ時してしまいます。
さんまいのおふだを読んでみた人の口コミ
こしにまかれたなわをべんじょのはしらにしばってにげるところがどきどきします。
走っても走ってもやまんばがおいかけて来て、おふだででてきた山も川も火もずんずんこえておいかけてくるのがこわいです。
4位:ダニエルのふしぎな絵
とても繊細な絵、ロマンチックなヨーロッパの背景は、女の子の「かわいい~」大好き心をくすぐります。
高校生の女の子にも、大人の女性にも愛されている絵本です。
写真家のお父さんとふたり暮らしのダニエルは、動物と人間が混ざったような不思議な絵ばかり描いてしまいます。
人々から変な絵と笑われ、自分でもお父さんの撮る写真のような写実的な絵を描きたいと思うのですが、ある時、ダニエルの個性をそのまま認めて受け止めてくれる女流画家に出会います。
ダニエルのふしぎな絵を実際に読んでみた感想
人はだれも自分のことを、丸い釘穴の中の四角い釘だと思っている。
そんな言葉を聞いたことがあります。
自分はこの環境に合わない。
自分の居場所は、ここじゃないもっと他にあるはずだ、と
特に思春期の子ども達は思いがちですよね。
わたしはどこか普通の子とは違うかしら、ありのままのわたしを認めてほしい、そんな多くの女の子達の味方になってくれる、素敵な物語です。
ダニエルのふしぎな絵を読んでみた人の口コミ
やっちゃ駄目だと思ってもやめられないことってある。
たいてい矯正されてしまう。
5位:チャーリーのはじめてのよる
犬を飼っていますか。
彼らはなんてかわいい生き物なんでしょう。
初めて犬がやってきた日のことを覚えていますか。
初めまして、仲良くしましょうね、不安なの?
お腹はすいていない?
今日からここがきみのお家だよ。
何もかもが初めてで、犬の気持ちが分からないんだけど、鳴いている犬に寄り添って、優しく語りかける「ぼく」。
見ている子ども達はこう思う。
ああ、小さなチャーリーの飼い主がこの「ぼく」で良かったね。
そして、自分だって「ぼく」みたいにできるよ。
だからお母さん、犬飼って。
お母さんを困らせることになる本かも知れませんね。
「ああこんな本借りて、本当に困るわ。」
チャーリーのはじめてのよるを実際に読んでみた感想
「かわいそうなぞう」「ときのキンちゃん」「黄色いボール」「ずうっと、ずっと、だいすきだよ」など、動物好きのわたしには、何冊か読み聞かせできない本があります。
作中に入り過ぎて、涙で声が出てこなくなるからです。
これもまた、そんなわたしの心の柔らかい部分をしっかりつかんでしまう本ですが、これなら読めます。
これから始まる、犬との楽しい共同生活の第一歩のお話だからです。
チャーリーのはじめてのよるを読んでみた人の口コミ
チャーリーが後ろ向いてるとこがかわいい。
「ぼく」は、チャーリーがなくたびにだっこして、へやをまわってあげるところがやさしい。
ぼくが犬をかっても、やさしくする。
6位:おしゃべりなたまごやき
なんてわがままな王さまなんでしょう。
でもこの寺村輝夫さんの王さま、多分日本一子ども達に愛されている王さまに違いありません。
これもシリーズもので、王さまは遊ぶのが大好き、そしてちょっとおっちょこちょいです。
今回の王さまの失敗は、鶏小屋の鍵を開けて、中の鶏たちをみんな逃がしてしまったことです。
家来たちは犯人を捜しますが…。
ちょっと「王さまの耳はろばの耳」を彷彿させる内容の、楽しい物語です。
おしゃべりなたまごやきを実際に読んでみた感想
物語の王さまは、わがままで飽きっぽく、勤勉とは程遠い生活を送っているものですよね。
美談で名高い「幸せの王子」だって、銅像になる前は、民衆の生活なんて何一つ知らなかったんですから。
もちろんここに出てくるおうさまも同じです。
でもなぜか憎めない。
このおうさまの失敗だけは、家来たちみんな背中を向けて笑いをかみ殺しながら、知らん顔して許してくれるのです。
わたしもこのおうさまのファンの一人です。
おしゃべりなたまごやきを読んでみた人の口コミ
おしゃべりなたまごやきのおもしろいところは、おうさまがあそぶのが大すきなところと、たくさんのにわとりをにがしてしまってこまっているところです。
とめんどりにいいきかせたことばが、そのままめだまやきをきったときにきこえてきたのがおもしろかったです。
7位:となりのせきのますだくん
この本を持っていたら、「あ、ますだくんだ!」って大人の人からも声をかけられるほど、誰にとっても身近な絵本です。
早いもので、第一刷めから30年。
保護者世代の人たちもみんな知ってるますだくん。
もしかしたら、日本一有名な小学生かもしれませんね。
となりのせきのますだくんを実際に読んでみた感想
ますだくんはますだくんは意地悪。
ますだくんはいつもみほちゃんにちょっかいを出します。
悩むみほちゃんに、大人はみんなこう言います。
「ますだくんはきみのことが気になってるだけなんだよ。」
でも、みほちゃんにとっては大問題ですよね。
意地悪でちょっとだけ優しいますだくん。
彼はみんなのクラスメート。
忘れられないクラスメートなんです。
となりのせきのますだくんを読んでみた人の口コミ
「ここからでたらぶつからな」
というところ、有名。
でもやっぱりさいごもいじわるです。
ようちえんの時からなん回も読んでいます。
緑の表紙を見つけたら、今でも読みます。
8位:どんなにきみがすきかあててごらん
ちびうさぎとでかうさぎ、お互いに、きみのことがこんなに好きだよと、手を広げ、ジャンプして伝え合うんだけど、どうしてもでかうさぎにかなわないちびうさぎ。
そのうち眠くなってしまうちびうさぎに、でかうさぎはやっぱりちびうさぎよりも大きな「好き」を伝えます。
このでかうさぎとちびうさぎが、言葉遣いから親子ではないのでしょうけれど、これは、聞き手よりも、大人の読み手の方がじいんとくるようです。
ストーリーとしてはごくごく単純。
読み終わって、「これは何が言いたいの?」と腑に落ちない顔の子どもを、ぎゅっと抱きしめたくなる、そんなお話です。
どんなにきみがすきかあててごらんをを実際に読んでみた感想
きみが好きということの伝え合いこ。
まるで、目に見えない自分の宝物の大きさを自慢し合っているみたいです。
これが親子の愛だとしたら、このお話のように親の愛は到底越えられるものではありません。
このちびうさぎが勝てるのは、自分が親うさぎになって子うさぎと愛情の比べっこをしたときでしょうね。
どんなにきみがすきかあててごらんを読んでみた人の口コミ
ちょっとピーターラビットみたいですが、目が小さくてかわいいうさぎたち。
9位:そうべえごくらくへゆく
『そうべえごくらくへいく』童心社
『じごくのそうべえ』が面白すぎたので、やっぱスピード2よりスピードのほうが面白かったヨネーみたいな気持ちに私はなりましたが、子供はケラケラ笑ってました。こういう落語絵本的なやつは、読み方勝負みたいなところもあるので読むのは楽しいです pic.twitter.com/horDwmrskK
— しげた子🐙2024 (@shigekotoba) November 12, 2017
「とざいとうざい。かるわざしのそうべえ、いっせいいちだいのかるわざでござあい。」
ではじまるそうべえシリーズは、どれも子ども達に人気があります。
何回読んでも笑い、何回読んでもリクエストが来ます。
かるわざしのそうべえ、やまぶしのふっかい、いしゃのちくあんの3人が、それぞれの職業を生かした技で、災難に立ち向かっていきます。
上方落語「地獄八景亡者戯れ」を田島征彦さんが子供向けに翻案・創作しました。
田島征彦さんのこのシリーズの絵は、型絵染めという手の込んだ技法で、世界的にも評価が高いのだそうです。
和紙に染め出したような絵で、普通に塗ってある絵ではないということはすぐに分かります。
絵の芸術性も楽しんでください。
「じごくのそうべえ」「どろんこそうべえ」「そうべえまっくろけのけ」「そうべえふしぎなりゅうぐうじょう」「そうべ
えときじむなー」と合わせて6巻でそうべえシリーズです。
是非読んであげてください。
そうべえごくらくへゆくを実際に読んでみた感想
いたるところに笑いが散りばめてあって、読み手も笑いをこらえながら、リズムよく読んでいかなければなりません。
基が上方落語なので、こてこての関西弁。
これをつっかえずに読もうと何度も練習しますが、きっと関西の人が聞いたらへたくそ!と怒られてしまうかも知れませんね。
関西の人の、できれば噺家さんの録音したそうべえを聞いて、練習したいと思っています。
そうべえごくらくへゆくを読んでみた人の口コミ
ようちえんのときせんせいがよんでくれて、はじめてそうべえをしりました。
10位:けんかのきもち
絵本「けんかのきもち」
特に男の子たちが大好きな絵本✨
普段は仲がいいんだけど、ある時大喧嘩…。
喧嘩をしたときの、描写がとてもリアルで共感してしまいます☺️
おすすめです📚 pic.twitter.com/RA6WXJPA6U— かのうた@保育士 (@kodomo_mikat) January 23, 2021
これは断然男の子に人気の絵本です。
表紙を飾る、なきべその少年。
涙と鼻水、だけど口をへの字にして目もつり上げています。
泣いているのに強がっている、強がっているのに涙が出てしまう。
けんかの原因は書いていないんだけど、そんなことはどうでもいいんです。
けんかのきけんかのきもちが終わっていないのに、大人たちが勝手に事を進めてしまう腹立たしさ。
相手が先に謝ってきたときの戸惑い。
素直な子どもの気持ちが、力強い伊藤さんの絵で真っすぐに表されています。
けんかのきもちを実際に読んでみた感想
子どもにしかわからない負けん気、大人になったらだんだん削れて丸くなっていく。
大きくなると、相手のことを思いやったり、後での自分の立ち位置を考えたりして矛を納めてしまいがち。
それをみんな成長と呼んで、いい子になったねと褒めるのですけれど、子どもの時のあのどうしようもない熱い思いは、決して忘れないで欲しい。
「けんかのきもち」なんて表現ありましたか?
でもここに描かれているのはまさに「けんかのきもち」なんです。
けんかのきもちを読んでみた人の口コミ
なかがいい友だちとけんかすることがあります。
ぼくはたいていあやまるけど、一回だけあやまれないことがあって、その時こんな気もちになりました。
時間がたったらちゃんとあやまれます。
まとめ

絵本は楽しい。
子ども達は絵本が大好きです。
毎日忙しい大人の生活ですが、なんとか時間をやりくりして、読み聞かせをしてあげてください。
子どもと一緒に、絵本の中に入って旅をしてみてください。
NHKラジオで、日曜日の朝、落合恵子さんが絵本を紹介する番組があり、毎週楽しみにしています。
彼女の言う「絵本は年齢制限無し、深くて豊かなメディアです。」
という言葉に納得。
絵本のお話と美しい絵に感動するとともに、子どもの心に一歩近づくことができます。
絵本を読んで、大人にもある子どもの心をいつまでも大切にしてください。